世の中のことについて考えた

83年生まれ、女性。元新聞記者、精神保健福祉士、その他。そんな私の硬と軟。

拳銃強奪事件容疑者の「手帳所持」ニュースは今必要なことか?

大阪で拳銃が強奪された事件。犯人逮捕のニュースで、NHKは昨日の昼、「精神障害者福祉手帳2級を持っていた」と伝えた。「このタイミングで小出しに速報してくることか!?」と腹が立った。

新聞やテレビの事件報道は、やっぱりおかしい。わかったことをわかっただけ伝えてくる。それを競う。そのことが、多くの事実を読者・視聴者に伝えることになる仕組みだという面は理解しているが、事件の全体像を歪んで見せるという面の弊害は大きい。手帳の取得が伝えられ、「精神障害だからか」「2級だから事件を起こしたのか」と、犯行と結び付けるなというほうがおかしい。

ではどのように伝えればいいのか。ひとつひとつわかった材料を、のちの影響も考えたうえで、ボリュームの強弱を慎重につけながら伝えること。事件の全体像を早くつかむ、それを伝えることに重きを置くこと。こんなことしか考えられないが・・・。だいたい、起訴され、裁判で判決が下るまでは「容疑者」であり、全体像として見えてこないともいえる。確かにそれでは遅い。事件について最も世間の関心があり、事件について世の中の人が考えるタイミングというのは事件直後なのだ。

それでも、「情報についてのボリュームの強弱を慎重につけながら伝える」というのは基本においてほしい。それは、川崎のバス停で子どもと大人が刺された事件でもそう。

blog.goo.ne.jp そのことが、メディアとして価値を上げることになるはずだ。